火星を歩く宇宙服開発、「中世の騎士」参考
オーストリア・インスブルック(CNN) アルプスに囲まれた町にある「オーストリア宇宙フォーラム」の研究施設で、宇宙服の開発が進められている。
宇宙生物学者ゲルノット・グルーマー博士らが開発を進める宇宙服「アウーダX」は、火星という過酷な環境に対応するため、1万ものパーツからできている。重量は45キログラム。装着するのに3時間もかかる。
グルーマー博士は、火星では生き延びること自体が厳しい「戦い」なので、中世の騎士が着ていた甲冑もデザインの参考にしたと語る。
火星表面では秒速55メートルの強風が吹き荒れ、ガラス質の細かい砂が飛んでいる。大気は薄く、宇宙線をさえぎる力はほとんどないし、気温はマイナス130度まで下がる。まさに恐るべき「敵」だ。
宇宙服の開発には米航空宇宙局(NASA)や米ノースダコタ大学など世界各地の研究所が取り組んでおり、どこも耐久性の向上に力を入れている。