「山の空気」に長蛇の列、大気汚染に悩む中国
(CNN) 大気汚染が深刻化している中国河南省の省都鄭州で、山の新鮮な空気を配るキャンペーンが実施され、住民が長い行列を作った。
メディア各社には、顔に酸素マスクを当ててビニール袋に入った空気を吸う人たちの写真が出回った。親や祖父母が子どもたちの顔に酸素マスクを当てる姿も見られた。
鄭州は中国の中でも特に大気汚染が深刻で、大気汚染の程度を示す大気質指数(AQI)は直近の数字で「不健康レベル」の157。これに比べて北京は「中程度」の55にとどまっている。北京の指数は1月の時点では同指数圏外の755に跳ね上がっていた。
山の空気の配布は観光の宣伝と大気汚染問題についての啓発を兼ねて民間企業が企画。同省にある老君山で3月下旬に2000缶分の空気を集め、複数カ所で配布した。
宣伝担当者は「老君山にやってきたテレビ取材班が空気を調べた結果、信じられないほどきれいなことが分かった。そこで我々は、同地の観光宣伝のためにこのアイデアを思いついた」と話す。
同山は1997年に国立自然保護区に指定され、最も近い都市の同省洛陽からは120キロの距離がある。
配った空気はわずか20分でなくなったといい、同社は今後も無料で新鮮な空気を配るキャンペーンを計画している。