所得に比べて食品割安に、肥満加速の一因? 米調査
(CNN) 米国で所得に比べて食品が割安になっていることが、肥満を加速させる一因になっているという研究結果が、学会誌の6月号に発表された。
この研究は米シンクタンク、ランド研究所のローランド・スターン氏らが発表した。それによると、米国人の食費は1930年当時は可処分所得の約4分の1を占めていたが、現在は約10分の1に減少。調理も購入も1930年に比べて簡単になった。
これに伴ってカロリー摂取量も増大し、1970年代に比べて平均で約20%増えた。食品のバラエティーも豊かになっている。
平均的なアメリカ人の体重は、少なくとも1950年代から増加の一途にある。40~49歳の男性については1900年から体格指数(BMI)が伸び続けている。
一方で運動量もわずかに増え、米疾病対策センター(CDC)の統計によれば、30分間の適度な運動を週に5日以上する人、または激しい運動を週に3日以上するという人は、2001年の46%から09年は51%に増えた。
果物や野菜も入手しやすくなっているが、実際に果物や野菜を食べる人の数は横ばい状態だ。
国民の肥満対策として、南アフリカでは国内のスーパーマーケット800店で健康的な食品に補助金を出し、25%割引で販売している。このおかげで健康的な食品の消費量が増えたという。
メキシコでは昨年、糖分の多い食品や清涼飲料水に対する税金が導入された。この政策が食習慣に与える影響はまだ未定。米国議会にも同様の法案が提案されているが、まだ通過には至っていない。