若い血液で若返り? マウス実験で確認
(CNN) 若いマウスの血液には、年を取ったマウスの脳や筋肉の組織を若返らせる効果があるという研究結果が、科学誌サイエンスや医学誌ネイチャー・メディシンに発表された。この分野の研究が進めば、心疾患や神経疾患、筋萎縮といった症状の治療に道が開けると期待されている。
米ハーバード幹細胞研究所の研究チームは、ヒトとマウスに共通するタンパク質の「GDF11」に着目した。このタンパク質は加齢に伴い減少することが分かっており、マウスを使った実験では、GDF11の濃度を高めると、傷ついた筋肉の回復力が復活することが分かったとしている。
同タンパク質によって高齢マウスの筋肉構造が改善され、棒を引き寄せる力が強くなるなどの効果も確認されたという。
研究チームはヒトの20歳に相当する生後2カ月のマウスと、65~70歳に相当する2歳のマウスを手術で同じ循環系に結合する実験も行った。
しかし外科的に結合しなくても、毎日GDF11を投与された高齢マウスは、投与されなかったマウスに比べて歯車を回せる時間が長くなり、若いネズミと同じくらい長時間走れるようになった。
この実験で、筋肉の回復に関しては、GDF11の投与は外科的な結合と同様の効果があることが判明した。ただ、心機能に着目した過去の実験では、高齢ネズミを若いネズミの血管系に結合した方が高い効果が確認されたという。