自動車部品が腕の中に50年、手術で取り出す 米男性
(CNN) 米イリノイ州の男性がこのほど手術を受け、腕の中に51年間眠っていた約18センチメートルのウインカースイッチを無事に取り出すことに成功した。
手術を受けたのはイリノイ州グラニットシティー在住のアーサー・ランピット(75)さん。腕の中にあったウインカースイッチは1963年7月に起きた自動車事故の際に体内に入ったものと見られている。
ランピットさんによれば、事故が起きた日は雨で道路が滑りやすくなっていた。運転していた自動車がスリップしてセミトラックと衝突し、ランピットさんは腰骨や肋骨(ろっこつ)を骨折。手術が受けられるようになるまで、10日間ほど、けん引治療を受けた。
ランピットさんは事故当時を振り返り、「たくさんのガラスを浴びたが、腕の中に何かあるとは気づかなかった」と話す。
事故から35年後、裁判所で金属探知の検査を受けた際、腕の中に何かあることが分かったという。レントゲン写真を撮ると、部品のようなものがあることが分かったが、医者からは、気にならないようであれば、放っておくようにいわれたという。
それからさらに16年後。ついに、ウインカースイッチが腕の中で存在を主張し始める。
きっかけは、コンクリートのブロックを運んだことだった。ブロック1つを左手で6メートルほど移動させ、さらに2つ目を運んだ。すると、ブロックをつかめないほどの痛みが走り、皮膚から何かが突き出そうになっていたという。
ウインカースイッチを取り出す手術は12月31日に約45分間にわたって行われた。ウインカースイッチは担当医にプレゼントすることを考えているという。
医師は、事故の際、目を守ろうと反射的に腕を上げたことでウインカースイッチが体内に入り込んだのではないかとみている。