スペースX、ロケットを海上パッドで回収へ
ニューヨーク(CNNMoney) 米民間宇宙開発企業スペースXは宇宙船の打ち上げに使ったロケットを再利用するため、海上に浮かべたパッドに着陸させる試験に挑む。
スペースXのファルコン9ロケット(F9R)は使い捨てを前提とした従来のロケットと違い、打ち上げ後に降下して垂直に着陸することが可能。スペースXは1月6~7日ごろに予定している国際宇宙ステーション(ISS)への補給船打ち上げで、使用後のF9Rを海上のパッドに着陸させる計画だ。
打ち上げは当初今月中旬に計画されていたが、年明けに延期された。
F9Rは14階建ての高さがあり、秒速約1600メートルの速さで上昇する。スペースXによれば、この機体を安定させて着陸に導くのは「嵐の中で手のひらの上にほうきの柄を立てようとする」のと同様、高度な挑戦とされる。
パッドの幅はわずか10メートル。しかも海底に固定されているわけではなく、エンジンで位置を保っている状態だ。戦闘機を空母に着艦させるよりはるかに難しく、成功率は最大でも50%とされる。
同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、ロケットを再利用することにより、現在1ポンド(約450グラム)当たり約2000ドル(約24万円)とされる宇宙への物資輸送コストを半減させたいと話す。
同社は来年1年間に十数回、同様の試験を実施する予定だという。