もう1つの地球を探せ 「プラネットハンター」という仕事
分子化学の研究では、生命の誕生に液体が必要だとの説が理論化されている。シーガー氏によると、化学反応を起こして生物の形態へと変化するには液体が必要で、「水は最も豊富に存在する液体だ」とも指摘する。
惑星に液体状の水が存在するためには、水が蒸発したり凍結しないよう地表が一定の温度の範囲に収まることが条件となる。地表温度は恒星との距離によって変化する。恒星に近すぎず遠すぎず適度な距離にある領域を、天文学者は「ゴルディロックスゾーン」と呼んでいる。
「ゴルディロックス」とは童話「3びきのくま」に登場する少女の名前で、朝食のかゆが「冷たすぎず、熱すぎず、ちょうどいい」温度であることを少女が好んでいたため用いられた。
このゾーンに惑星があることは珍しくないと考えられているが、それを観測するのは難しい。シーガー氏は、正確な数字は変わる可能性があるとしつつも、太陽に似た恒星の5つに1つは液体状の水がある惑星を持つとみている。我々の銀河系には数十億の地球型惑星があるかもしれない。
銀河系で最良の候補
これまでに発見したとされる惑星6000個のうち、実際に惑星だと確認されたものは約2000個で、残りは検証作業が進んでいる。そして、生命が存在する可能性があるとみられているのは30個程度しかない。