全米一の「ネズミ都市」シカゴ、駆除に野良猫が大活躍
ツリーハウスでは現在、650カ所で3600匹の猫を管理する。それでも中には元の場所に戻せない猫もいる。そこでそうした猫たちにネズミ退治を担ってもらおうと、5年前に「キャッツ・アット・ワーク」のプロジェクトが始動した。
プロジェクト責任者のポール・ニッカーソンさんは、初期に同制度を利用した1人。自宅の近所で工場が取り壊されたことから庭に何百匹ものネズミが出没するようになり、ツリーハウスに相談して猫たちに来てもらうことにした。おかげで今では庭でネズミを見かけることはなくなったという。
ツリーハウスは単純に猫を連れて来るだけでなく、その場所に慣れてもらうために犬小屋を改造して「猫アパート」をつくり、トイレや爪とぎ、玩具、雨除けなども用意する。
猫たちが新しい環境に慣れるまでには4週間ほどかかる。管理人は1日2回餌を与え、必要があれば獣医師の治療を受けさせる取り決めになっている。
猫はネズミを捕るだけでなく、あちこちに体をこすりつけてマーキングすることから、その臭いだけでネズミはいなくなる。
プロジェクト管理者のリズ・ハウツさんは「ネズミ対策に関する限り、ほぼ100%効果がある」と胸を張る。「唯一の長期的、恒久的な解決策」とも。