全米一の「ネズミ都市」シカゴ、駆除に野良猫が大活躍
レイクビュー地区のトーマスさんは3匹の猫を導入した。約600ドル(約6万3000円)のコストをかける価値は十分にあり、「ネズミの穴はたちまち空になった」と話す。猫が来てから庭でネズミは1匹も見かけず、近所の人からも、ネズミが姿を消したと感謝されるという。
エンピリカル・ブリューイングでも、マカウンさんをにらみつけていたネズミは構内から姿を消した。1年半前にやってきた4匹の猫はインターネットで名前を公募。映画「ゴーストバスターズ」の登場人物にちなんでイゴン、ベンクマン、レイモンド、それにゴーザと命名された。
猫が来る前はネズミに袋を食い破られて年間約90キロ相当のモルトを廃棄していたが、今では廃棄せずに済むようになった。
醸造所内には棚や窓や扉が着いた猫タワー「ダークタワー」も完成。猫を目当てに醸造所の見学に来る人も増えている。
中には野鳥の生息環境が脅かされるなどの苦情もあるものの、猫を導入したいという申し込みが多く今では30日待ちの状態。全米からも問い合わせが相次いでいる。
何よりも、猫たちの行き場ができ、殺処分されずに済むようになったことが最大の成果だと担当者は話している。