違法データを見つけ出せ、米警察の「ポルノ探知犬」<2> 頼れる相棒の条件とは
ただ、警察犬の育成にはお金がかかる。ウィーバー郡などが組織する麻薬対策チームは、訓練を終えたURLを同郡に採用するのに1万ドル(約100万円)以上を支払った。
ジョーダン氏の訓練施設には、任務に就く準備ができている犬があと2頭いる。既に数人から電話で照会があったほか、当局からの引き合いも多い。あとはどの組織が資金を用意できるかにかかっているという。
ハートマン氏は、URLの真価は今後徐々に発揮されていくものとみている。犬を隣に置いて仕事をすることで既に癒やしの効果が出ているほか、児童関連の事案で緊迫した状況を沈静化させるのにURLが一役買ったこともあったという。
ハートマン氏はまた、テクノロジーの急激な進歩を踏まえたうえで、URLのような警察犬を活用しなければ捜査当局は大きな代償を支払うことになりかねないと指摘。過去に捜査に関わった事件を振り返ると、「何か見逃していなかったか」との思いに駆られるという。今後URLと働いて、本物の凶悪犯を摘発する機会が1度だけにとどまったとしても、「自分にとってはそれだけで価値がある」と話す。
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