ヒトラーの生家、取り壊しへ オーストリア政府が発表
(CNN) オーストリア北西部ブラウナウ・アム・インにあるナチス・ドイツの独裁者、ヒトラーの生家が、長年に及ぶ議論の末、取り壊されることになった。同国内務省の報道官が17日に発表した。
ブラウナウ・アム・インはドイツ国境沿いの町。家はクリーム色の3階建てで、古びた窓や汚れが年代を感じさせる。
ヒトラーは1889年にここで生まれた。ネオナチ団体のメンバーらがたまに訪れることを除けば、特に目立った特徴はない。
この家をどうするかについて、専門家ら13人で構成する委員会が議論を続けてきた。その結果、ネオナチの聖地にさせないよう取り壊して生家の痕跡を消し、新たなビルを建てるのが妥当と判断された。
オーストリアのソボトカ内相は「大規模な建て直しが必要だという委員会の意見に同意する」と述べた。
これを受けて政府は18日、家の収用に向けた法案の検討に入る。取り壊した後は慈善団体や政府機関のビルを建てる案などがあり、当局が議会での承認を経たうえで決めることになる。