魂に安らぎを、タイのゾウ保護施設を訪ねる<2> 感情の動物
「虐待」の事実、地元関係者も知らず
ロジャーソン氏がゾウについて学んでほしいと思っているのは旅行者だけではない。
同氏は、「プーケット島の新しいゾウ保護施設ということで、これまで好奇心旺盛な何人かのタイ人ツアーガイドがPESにやってきた」と述べ、さらに次のように続けた。
「ある女性は、ゾウたちがどれほどひどい扱いを受けているかを知り、見るからに動揺し、私に『10年間、旅行者たちに(ゾウに乗るアトラクションのある)トレッキングキャンプに行くよう勧めてきたが、ゾウが虐待を受けていることや、自然環境の中にいる時の彼らの姿を全く知らなかった。ここ(タイ)は私の母国であり、ゾウはタイの国獣だ。これまでキャンプを勧めてきたことに強い罪悪感を覚える』と語った」
「鞍を外す」運動
ロジャーソン氏率いるPESのチームは、ゾウがゾウらしく生きられるようにするために、次のことを世界に広めようとしている。すなわち人々にゾウを観察し、理解してもらえば、それが生涯にわたる重労働を強いるアトラクションの代わりになり得るのだという考えだ。
「われわれはこの取り組みを鞍(くら)を取り外すという意味の『サドルオフ』運動と呼んでいる。変化を受け入れ、活動に賛同するキャンプがあれば、われわれは喜んで、あらゆる方法で支援する」(ロジャーソン氏)
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次回「魂に安らぎを、タイのゾウ保護施設を訪ねる<3> 広がる「救済」の取り組み」は8月21日公開