戦う国民の記憶、今に伝える 世界の軍事博物館12選<2>
6.オーストリア軍事史博物館(ウィーン)
軍事史博物館のルーツは、ウィーンが多くの国家にまたがる大帝国の中心だった帝政期にさかのぼる。19世紀半ばに皇帝フランツ・ヨーゼフの命令で設立され、以降の展示は常に専用の建物内で行われてきた。
もともとの狙いは軍事超大国としてのオーストリアの役割を強調することだったが、コレクションは定期的に刷新され、両大戦や戦間期、冷戦もカバーしている。最も特筆すべき展示品のひとつは恐らく、サラエボで暗殺されたフェルディナント皇太子が乗っていた車だ。この事件は第1次大戦勃発のきっかけとなった。
7.米国立海軍航空博物館(フロリダ州ペンサコーラ)
世界各地への戦力投射能力を米国にもたらすうえで海軍航空隊が果たした役割については、どんなに強調しても強調しすぎることはない。
ペンサコーラにある米国立海軍航空博物館では、航空機150機以上や飛行シミュレーター、海軍の曲芸飛行隊「ブルーエンジェルス」の視点を体験できる仕掛けなど、素晴らしいコレクションを展示している。
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次回「戦う国民の記憶、今に伝える 世界の軍事博物館12選<3>」は12月28日公開