航空史を彩る驚異の試作機、1949~2017年
(CNN) 航空機の歴史を振り返ると、これまでに幾つもの素晴らしい飛行機が作られてきた。その多くが空を支配する一方、中にはほとんど離陸することなく終わった飛行機もある。
今回は70年近く歴史をさかのぼり、名機になり損ねた4機の試作機を見ていくと同時に、長距離旅行のあり方を一変させるかもしれない未来の航空機の構想も紹介する。
◇
1.アブロ・カナダ「ジェットライナー」(1949年)
カナダの航空機メーカー、アブロ・カナダ社の「C-102ジェットライナー」は北米を飛行した初のジェット旅客機で、1949年8月にトロントの空港から初飛行した。
ジェットライナーは、アブロ・カナダがトランスカナダ航空(TCA)向けに開発したもの。だがTCAの分析の結果、C-102の生産モデルが同社の運航要件を満たさないことが判明し、TCAは同機への関心を失った。
1950年代初頭になると、アブロ・カナダは軍用機の開発に力を入れ始め、ジェットライナーの開発計画は頓挫した。
結局、C-102の試作機は1956年末に解体され、唯一解体を免れた操縦室部分のみがオタワのカナダ航空宇宙博物館に展示されている。
2.ブリストル「ブラバゾン」(1949)
英ブリストル社が開発した「ブラバゾン」は、全長約54メートル、翼幅約70メートルの大型旅客機だ。
2階建ての機体は、乗客500人以上が乗れるエアバスA380に匹敵する大きさだが、本機はプライベートキャビン、バー、映画館を備えるなど、わずか100人の乗客が豪華な空の旅を楽しめる設計になっていた。