ヘリから宙づり、命知らずの写真家がとらえた高度2千メートルの世界
プレンセナ氏は高い場所が得意で、挑戦好きだ。
「ドイツにいた若い頃、軍のパラシュート部隊に所属していた。当時はヘリコプターや飛行機から何度も飛び降りていたため、(空からの撮影は)私にとって真新しいことではない」とプレンセナ氏は言う。
空中写真を撮りたくなったプレンセナ氏は、友人であるヘリコプター操縦士のアーロン・フィッツジェラルド氏とともに空を飛びまわった。2人はどうすればプレンセナ氏が最高の写真を撮れるかを話し合ったという。
「2人とも向こう見ずな性格だから、彼にこう告げた。理想を言えば、ヘリコプターの中からだけではなく外につるされた状態で撮影してみたいと」と、プレンセナ氏は当時を振り返る。
「宙づりの状態なら、どんな角度でもより自由にカメラが使えるようになる。とりわけ垂直方向から撮影したい場合、(地面に対して)完全に垂直な状態になれる。これにより非常に珍しい角度からの撮影が可能になる」(プレンセナ氏)
決定的瞬間をとらえる
芸術写真家のプレンセナ氏は、この体内にアドレナリンが充満するような緊迫した状況で、穏やかさに満ちた淡い色合いの見事な写真を撮影する。