「燃える氷」は新時代のエネルギーとなるか<下> 中国との競争
ガス漏れの危険
メタンが偶発的に大気圏に放出される恐れも頻繁に指摘されている。メタンは20年という長期で見ると二酸化炭素の最大84倍もの温室効果がある。
しかし、米地質調査所(USGS)のガスハイドレートプロジェクトの責任者を務めるキャロリン・ラペル氏によると、海面下数百メートルの海底から放出されたメタンが水柱を伝って大気圏まで上昇する可能性はほとんどなく、通常は海水に溶けてバクテリアによって二酸化炭素に変換されるという。
将来の見通し
生産コストの問題もある。山本氏によると、メタンガスハイドレートからのメタンガスの産出は今のところコストがかかりすぎて採算が合わず、商業生産の実現には数十年かかるという。
しかし、メタンハイドレートからのメタンガスの産出は光熱費の削減だけの問題ではなく、これは国内のエネルギー源であり、日本のエネルギー安全保障にとって非常に重要、と山本氏は指摘する。
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