拡大する子どもの肥満、2~5歳児で急増 米調査
(CNN) 米国内の2~5歳の幼児について、深刻な肥満となるケースが2013年ごろを境に著しく増加していることが分かった。26日刊行の小児科学会誌に調査結果が掲載された。
今回の調査では米疾病対策センター(CDC)がまとめた1999年から2016年までのデータを分析。2~19歳の子どもの間で見られる太りすぎや肥満の増加に着目した。
その結果、1999年以降、肥満の増加傾向が続いていることが明らかになった。とりわけ2~5歳の幼児と16~19歳の女子の肥満率は、2015年から16年にかけ、前年と比べ大きな伸びが見られたという。
幼児と十代の少年少女の肥満率については横ばいもしくは減少しているとの報告が過去になされていたが、今回調査した期間ではそれに合致する証拠が得られなかった。
調査結果を執筆したデューク大学のアシュリー・スキナー准教授によれば、今回の調査では最も直近のデータを使ったという。スキナー准教授はまた、過去の調査が特定の学校組織など比較的狭い範囲を対象にしていた点に言及。全米で行った今回の調査により「子どもの肥満の問題が消えていない」ことが改めて示されたと述べた。
肥満は糖尿病や心疾患、脳卒中、がんなどのリスクを高める。CDCによれば米国では十代までの子どもたちの肥満率が1970年代以降3倍以上に跳ね上がり、およそ5人に1人が肥満に該当するとみられている。
エモリー大学のケネス・ソープ教授は、現時点で米国の医療コストのうち肥満に起因するものが全体のおよそ2割を占めると指摘。子どもたちの肥満の拡大に懸念を示した。