中国の新興宇宙企業、ロケット打ち上げに成功 民間で初
香港(CNNMoney) 中国・北京に拠点を置く新興企業ワンスペースは17日、自社で開発したロケットの打ち上げに成功した。中国で民間企業が自社製のロケットを打ち上げるのは初めて。
中国北西部から今回打ち上げられた「OS-X」ロケットは全長9メートル。国営の中国航空工業集団と共同で進める調査計画のためのデータ収集を目的とする。
2015年に創設されたワンスペースは、米起業家のイーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXとしばしば比較される。創業者で最高経営責任者(CEO)のシュー・チャン氏は、打ち上げ前に行ったCNNMoneyとのインタビューで、「ワンスペースの現在の状況は、スペースX設立後の数年間と非常によく似ている」との認識を示した。
スペースXはこれまで大型のロケットを定期的に打ち上げ、搭載した人工衛星を周回軌道に乗せて地球に帰還させることに成功している。
OS-XについてチャンCEOは「開発から製造まですべて中国国内の技術のみによる初めてのロケットだ」と強調。当初は完成まで3年を要するとの見通しを示唆していたが、同社が17日に明らかにしたところによると実際の工程は1年しかかからなかったという。
ただこのロケットが本当に純国産なのかどうかに関しては、航空宇宙工学の専門家などから懐疑的な見方が出ている。またワンスペース自体も、民間企業を標榜(ひょうぼう)する一方で中国軍の諸機関と提携したり、所有権の一部が地方政府に属する製造工場を保有したりするなど、中国当局と一定の結びつきを保っているとされる。