1万4400年前に焼かれたパンのかけら、ヨルダンで発見

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実験のために小麦粉を作る考古学者/Alexis Pantos

実験のために小麦粉を作る考古学者/Alexis Pantos

(CNN) ヨルダンの砂漠にある石器時代の遺跡から、1万4400前に焼かれたパンのかけらが見つかったことが18日までにわかった。農耕生活が始まる前からパンが作られていたことを示す初の証拠だという。

パンが見つかったのは、農業が始まるより前の中石器時代、人々が定住しながら狩猟採集生活を送っていたナトゥフ文化の遺跡。2つのかまどから焦げたパンのかけらが24個出てきた。研究チームがこのほど、米科学アカデミー紀要(PNAS)の最新号に論文を発表した。

論文をまとめたコペンハーゲン大学の植物考古学者は、「かまどの中に焦げた食べ物のかけらが何百個もあり、1万4000年前の食文化を知る手がかりになった」と強調する。

ナトゥフ人が作っていたのは、現在「ピタ」「アラビアパン」などと呼ばれている円形状の平らなパンだったようだ。穀物を収穫し、粉にしてパンを焼いていたという。

パン作りのこん跡はこれまで、トルコやオランダにある新石器時代後期の遺跡で見つかっていた。すでに農業が始まっていたとされる時代だ。

発掘を率いた同大学の考古学者は、「ナトゥフ人は我々にとって非常に興味深い。人類が定住を始め、食生活が変わり出す過渡期に暮らしていたからだ」と話す。

研究チームによると、穀物から作る食べ物は手間がかかるため、客人をもてなして力を見せつけるためのぜいたく品と見なされていた可能性があるという。

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