シリア政府軍の攻勢で27万人が避難、国境付近で足止め
ヨルダン・アンマン(CNN) 内戦が続くシリア南西部のダルアー県で、政府軍が反体制派に対する攻勢を強め、27万人以上の住民が避難して国境付近で行き場を失っている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が2日に明らかにした。
避難した住民はヨルダンとの国境や、イスラエルが占領するゴラン高原を目指しているが、両国ともシリアからの難民は受け入れない方針。
UNHCRによると、戦闘が激化する中で、避難民の数はさらに増えることが予想される。
シリアでは内戦が始まった2011年以来、およそ620万人が避難した。さらに630万人はシリアを脱出して難民となっている。
今回はロシアを後ろ盾とするシリア政権軍が2週間ほど前から、首都ダマスカス南方のダルアー県奪還を目指す作戦を開始した
政権軍は、トルコが支援する反体制派武装組織「自由シリア軍」や、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などの支配地域を奪還している。
今回の作戦による死者は6月29日の時点で約200人、避難民は12万人だったが、それが倍以上に増えた。