気候変動でドミノ現象、地球「温室」化の新たな警告
(CNN) 地球の気候変動が続いて産業革命後の気温上昇が2度を超えると、ドミノ倒しのように次々と異変が起き、地球は「ホットハウス(温室)」状態に陥る――。オーストラリアやデンマークの国際研究チームがこのほど、新たな警告を発した。
チームの論文は6日発行の学術誌、米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されている。地球が「完新世(かんしんせい)」と呼ばれる地質時代から、人間の活動に直接影響される新たな時代「人新世(ひとしんせい)」に移っているという学説に基づき、「人新世における地球システムの軌跡(仮訳)」というタイトルが付けられた。
論文によると、ホットハウス状態に陥った地球は、産業革命前より4~5度高い気温に落ち着く可能性がある。
チームを率いるオーストラリア国立大学のウィル・ステッフェン博士によれば、気温を決定づける要因は温室効果ガスだけではない。
産業革命後の気温上昇が2度に達すると、それ自体が引き金となって気温がさらに上昇し、たとえ温室効果ガスの排出が止まっても歯止めがかからなくなるという。
気温が上昇した結果、海面は最大で60メートルも上昇し、沿岸部の住民は内陸への移動を強いられる。
この一線を超えて後戻りができなくなった場合、地球の気温は過去120万年間のどんな時代よりはるかに高くなり、海面も1万2000年前に完新世が始まってから最も大きく上昇することが予想される。一部の地域は人の住めない環境になるだろう。