米国立公園の大気汚染レベル、大都市と変わらず 学術誌論文
(CNN) 環境汚染の目安とされる大気中のオゾン濃度について、米国の国立公園の水準は国内の主要20都市と変わらない――そんな研究結果をまとめた論文が、18日刊行の科学系学術誌に掲載された。
研究の対象となった期間は1990年から2014年にかけて。論文の共同執筆者で米コーネル大学の助教を務めるイバン・ルディック氏は「2000年代初め以降、オゾン濃度を基準とした大気の質は、国立公園も大都市圏も同じように悪い」と述べた。
例えばカリフォルニア州にあるセコイア国立公園では、大気中のオゾンが基準値を超過した日数がロサンゼルスに匹敵する。1996年以降、年間の超過日数は、2年を除くすべての年でセコイア国立公園が上回っているという。
国立公園局のウェブサイトによると、同公園の大気汚染は国内の国立公園の中でも最悪の水準。近隣の農工業地帯や幹線道路、さらにサンフランシスコのベイエリアなどの大都市圏で排出される汚染物質が風に乗って運ばれることが原因だという。
ルディック氏は同公園の公式ツイッターに言及し、「夏季にはほぼ毎日、不健康な大気の質に関する警告を発している」と話す。
セコイア国立公園の南東に位置するジョシュア・ツリー国立公園では、1990年から2000年までオゾン濃度が基準値を超過する日数が年平均で105日。これに対しニューヨークは同110日だが、2001年から14年の期間は同公園が同101日と、ニューヨークの同78日を上回った。