2017年、観測史上2~3番目の暑さ 米政府機関報告書
(CNN) 米気象学会は1日、世界の気象状況に関する年次報告書を発表し、2017年は観測史上2~3番目に暑い年だったと明らかにした。
地球温暖化が現代史上かつてないペースで進行していることを改めて示したものと言えそうだ。年次報告書の作成は28回目で、海洋や極地圏の氷の状況、各地の異常気象など、世界の気象に関するさまざまな指標を更新した。
報告書は米海洋大気局(NOAA)環境情報センターが作成を主導。世界60カ国以上の500人を超える科学者から提供されたデータなどをまとめた。
17年の暑さが史上2番目と3番目のどちらかであったのかは、使用するデータセットによって判断が変わってくる。その前には14~16年にかけて記録的な暑さの年が続いており、17年は4年連続で記録を更新するには至らなかったものの、エルニーニョ現象が起きなかった年としては最も高温だったという。
エルニーニョは赤道付近の太平洋の海温が上昇する現象で、いちど発生すると数年にわたり地球全体が暖まる傾向にある。
逆にラニーニャ現象が活発な場合、太平洋の大部分が平均水温を下回ることから、地球にとっては自然な温度調節機能を果たす。2017年は年初と年末に弱いラニーニャ現象がみられたものの、温室効果ガスの増大による高温化を抑制するには至らなかった。
主な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)やメタン、亜酸化窒素の大気中濃度はいずれも観測史上最高で、海面の平均水温も過去最高に近かった。