米新興企業、竹製歯ブラシ推進 ストローに次ぐプラスチック追放へ
ニューヨーク(CNNMoney) 世界中でプラスチック製ストローに対する風当たりが強まる中、米国の新興企業が日常生活で使われるもう1つのプラスチック製使い捨て製品として歯ブラシに目を向け、竹製歯ブラシの売り込みに力を入れている。
カリフォルニア州で小売り大手のホールフーズに勤務していたクリスティーナ・ラミレス氏(33)は2012年、「プラス・ウルトラ」を創業。同年に売り出した竹製の歯ブラシは今、米22州のホールフーズやアマゾンのネット通販など、320以上の小売店で販売されるようになった。
「プラスチック製ストローと同じように、歯ブラシは1日に何度も使われ、ストローと同じように埋め立てられて海に流れ着く。その有害性について私たちは考えもしない」とラミレス氏は話す。
これまでに販売した竹製の歯ブラシは、埋め立て地や海に流入するプラスチックごみを少なくとも1000トン減らす助けになったと同氏は推定する。
プラスチック汚染対策団体によると、消費者が生涯で使う歯ブラシは平均300本(年間4本)に上る。量に換算すると1人当たり約5.4キロのプラスチックを捨てている計算になる。
「捨てられた歯ブラシはリサイクルされず、生分解もされない」とラミレス氏は言う。プラス・ウルトラの竹製歯ブラシもリサイクルは不可能だが、「歯科医が勧めるナイロン製のブラシと金属のステープルを除けば、99%は生分解される」。竹でできた手持ち部分はコンポストもできるという。
今後は竹素材を使った日用品の幅を拡大したい考えで、「プラスチックの歯ブラシ入れを使わなくて済むよう、竹製の旅行用歯ブラシ入れを開発している」とラミレス氏。「5年以内には、プラスチック製品の手ごろな代替となる環境に優しい製品シリーズを全面展開したい」と意気込みを語った。