エベレスト登山者の排泄物問題、その画期的な解決方法とは
バイオガス発生装置は世界中で使用されており、作るのも非常に簡単だが、気温が氷点下の高地で運用するのは難しい。
なぜならバイオガスを発生させるにはバクテリアが有機性廃棄物を食べる工程が必要で、微生物が生きられるように一定の温度を確保しなくてはならないからだと、ポーター氏は説明する。
そこでエベレスト山バイオガスプロジェクトでは、太陽電池パネルを使ってガス発生装置に熱を送る計画だ。また夜間にエネルギーを蓄えるためのバッテリーアレーも設置する。
そして最終的にメタンガスと廃液が生成されるが、メタンガスは調理や照明に利用でき、廃液は農作物の肥料として利用可能だ。
しかし、登山者は抗生物質を服用することが多く、ポーター氏は当初、登山者の排泄物に含まれる抗生物質が微生物の排泄物を分解する能力に影響するのではないかと懸念した。
しかし、カトマンズ大学で小型のバイオガス発生装置が、ベースキャンプから運んだ人間の排泄物をメタンガスに変えることに成功したという。