英テムズ川にシロイルカ、仲間とはぐれたか 生息域から遠く離れ
ロンドン(CNN) 英ロンドン近郊を流れるテムズ川で、1匹のシロイルカが泳ぐ姿が目撃され、安全が懸念されるとして保護団体などが見守りを続けている。
テムズ川を泳ぐシロイルカは、ロンドン近郊のエセックスで生態学者のデイブ・アダムズさんが最初に発見し、動画をツイッターに投稿。「これを書いている自分でも信じられないけれど、冗談ではなく、テムズ川にシロイルカがいる」と伝えた。
シロイルカはテムズ川の対岸にあるはしけの周りで1時間ほど餌を採っていて、200メートル足らずしか動かなかったという。
シロイルカは普通、グリーンランド沖の北極海やバレンツ海の冷たい海に生息している。英保護団体WDCによれば、英国の沿岸での目撃情報は過去に20回しかなく、テムズ川のシロイルカは仲間とはぐれて困難な状況に陥っている可能性が大きいという。
別の慈善団体ORCAの担当者も、「生息地から遠く離れていることを考えると、ストレスを感じているかもしれず、陸上でも海上でも見物人は近付かない方がいい」と呼びかけている。
迷い込んだ海洋生物の保護活動を行っている団体は、「シロイルカは普通は英国の近海では見られず、極めて珍しい」と話し、状況を見守っていると説明した。
ナショナル・ジオグラフィック誌によると、シロイルカは体長4~6メートル。丸い頭が特徴で、背びれは付いていない。