ブッシュ元大統領への手助けで注目、サリーが介助犬に選ばれた理由
(CNN) 先ごろ死去したジョージ・H・W・ブッシュ元米大統領の日常生活を支援していた介助犬の「サリー」。ブッシュ元大統領の棺(ひつぎ)に寄り添う姿が多くの人の心を打った。
ラブラドル犬のサリーは電話への応答や電灯のオン・オフ、品物を取ってくるなど、さまざまな役目を果たすことができる。
介助犬の育成などを行っている非営利団体「アメリカズ・ベットドッグズ」に今年、ブッシュ氏の代理人から介助犬を利用したいとの連絡が入った。同団体は、体の不自由な退役軍人や現役の兵士に介助犬を無償で貸し出している。
ブッシュ氏は頻繁に旅行をして訪問者も多いことから高い順応性を持った介助犬が必要だと考えられた。そして、高齢で車いすのブッシュ氏の手助けをするのにサリーがぴったりだとすぐに思い至ったという。
今年の夏にサリーは介助を始めた。団体はブッシュ氏にサリーとうまくやれるようトレーニングを受けてもらったという。
アメリカズ・ベットドッグズは2003年から介助犬の育成を行っている。介助犬は日々の生活の手助けを行うだけでなく、介助を受ける人たちが直面するであろう新たな困難を乗り越えるためのモチベーションにもつながるという。
「介助犬」と一口にいっても、介助される側の不自由さの種類によって、特別な役割を果たすよう訓練を受ける。
「盲導犬」は主に目が不自由だったり低視力だったりする人の移動などを支援する。聴導犬は聴覚障害者に対し、ドアベルや警報器が鳴った際などに注意を促す。介助犬は四肢の欠損があったり車いすで移動したりする人に対し、品物を持ってきたり、ドア開けるなどして支援する。セラピー犬はPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの影響を和らげるためのセラピーを提供できるよう訓練を受ける。
同団体は必要としている人々に無償で介助犬を提供しているが、育成や訓練で1頭あたり約5万ドルの費用がかかるという。介助犬が手助けする相手とペアになると、その後、1人と1匹はチームとして動けるようにトレーニングを受けることになる。