「世界一孤独なカエル」に「花嫁」見つかる、絶滅回避に向け光明 ボリビア
(CNN) 同じ種類の仲間の存在が確認されていない「世界一孤独なカエル」として知られる南米ボリビアのオスのカエルのために、研究者らがこのほど、「花嫁」となり得る同種のメスを探し出す出来事があった。2匹をつがいにして繁殖に成功すれば、種の絶滅を回避することができるとみられる。
「ロミオ」と名付けられたこのカエルは過去10年間、仲間のカエルと出会うことなく生きてきた。同種の中で生き残った最後の1匹と目され、ボリビアの博物館で飼育されていた。
ロミオの「花嫁」候補に選ばれた「ジュリエット」/Robin Moore/Global Wildlife Conservation
種として絶滅に追い込まれる状況を受け、昨年には恋愛・結婚のマッチングサービス大手がつがいを見つけるための研究資金にしようとネット上で寄付を呼びかける動きも起きていた。
研究者らはこれらの資金を利用して調査チームを立ち上げた。ボリビアの森の中を粘り強く探索した結果、先月になってロミオと同じオレンジ色の腹を持つカエル5匹を発見した。
水槽の中を元気に泳ぎ回るジュリエット/Robin Moore/Global Wildlife Conservation
このうち2匹いたメスの1匹を「ジュリエット」と名付け、ロミオの花嫁候補として来月14日のバレンタインデーに引き合わせる予定だ。ジュリエットは現在、両生類にとっての致死的な感染症であるカエルツボカビ症に感染していないか検査を受けている。
研究者らはカップル成立に期待を寄せるが、2匹の外見や性格は対照的だ。ロミオは恥ずかしがり屋であまり泳がず、「少し太りすぎ」であるのに対し、ジュリエットは好奇心旺盛で水槽から逃げ出そうとするほど活発。また非常に可愛らしい見た目だという。
探索を主導したテレサ・カマーチョ氏とジュリエット/Robin Moore/Global Wildlife Conservation
森の探索ではジュリエットのほか、まだ繁殖年齢に達していないオス3匹とメス1匹が見つかった。ロミオとジュリエットがつがいにならない場合は、これらの若い世代を繁殖させることで種の存続を実現したい考えだ。