電子たばこ吸引、10代にとって危険な理由
10代の脳はニコチンの影響を受けやすい可能性も
レビー氏によると、こうした現状を受け、ニコチン製品に関する考え方にも変化が出ている。
喫煙は多くの場合、がんなどの身体疾患を引き起こしかねない「医学上の問題」とみられていた。それが今や、電子たばこの使用は精神医学の問題とみなされることが増えている。ニコチンが子どもたちの間で中毒行動を引き起こし、脳の発達の妨げとなっているとの懸念からだ。
南カリフォルニア大学医学部の保健・感情・依存症研究所の責任者、アダム・レベンサル氏は、「若者の脳はニコチン中毒の影響を受けやすいのではないかと懸念されている」と語る。
「快楽や新しい楽しみの追求の背後にある脳の回路は、意思決定や衝動制御、合理的思考を促す回路に比べて発達が早い」
レベンサル氏によると、子どもたちが特に電子たばこの影響を受けやすい背景には、生物学的な要因だけでなく、心理学的な要因もある。仲間うちの同調圧力やストレスにより、依存行動に走る可能性が高まる場合があるという。
ゴニエビチ氏によると、子どもと大人では電子たばこに手を出す理由も異なる傾向にある。大人はたいてい高用量のニコチンを扱える元喫煙者で、不眠や集中力不足といった離脱症状を避けたいという場合が多い。
しかし子どもの場合、電子たばこで初めてニコチンに接するという場合もある。
「ニコチンは強力な化学物質であり、私たちの脳を変えてしまう」(ゴニエビチ氏)