ヤギは「高度に社会的」、鳴き声で仲間の感情を識別
(CNN) ヤギは他のヤギの鳴き声を聞いて「肯定的」なのか「否定的」なのか感情を識別し、仲間の気持ちに反応することができるとの研究結果が発表された。
動物学関連の学術誌で発表された研究には、英ロンドン大学クイーンメアリー校やスイス・チューリッヒ工科大学、イタリア・トリノ大学が参加した。
調査では、餌入れを持って研究員がヤギに近づき「肯定的」な鳴き声を録音したほか、ヤギを孤立させたり他のヤギが餌を食べている様子をみせたりして「否定的」な鳴き声も録音した。
これらの鳴き声を他のヤギに聞かせて反応を調べたところ、心拍数の変化など、異なる鳴き声で異なる生理的反応を見せたという。
これまでのロンドン大学クイーンメアリー校の調査では、ヤギは「友人」のヤギと「他人」のヤギの声が区別できることが示されていた。
7メートル×5メートルの敷地内で他のヤギの鳴き声の録音を聞かせて反応を調べた/Frontiers in Zoology
研究によれば、否定的な感情によって個人が生命の危機につながる可能性のある状況に適切に対応できるようになることから、進化論の観点から見ると感情の機微を伝えることは重要だと説明している。
これまでも、馬が人間の怒った顔と喜んだ顔の区別がついたり、牛や豚が仲間の鳴き声を基に行動を変化させたりするといった研究結果が明らかになっていた。
今回の研究によれば、ヤギは特に「高度に社会的」であり、社会的な絆や集団としてのまとまりを強化するために鳴き声を活用している可能性があるという。