ZOZO前沢社長が語る、アーティストを宇宙旅行に連れていく理由
ニューヨーク(CNN Business) 宇宙飛行士はみな、よく似ている。科学者や軍のパイロットなど、米政府が「ライトスタッフ(正しい資質)」を持つと認めた人たちだ。しかし、次に月へ旅すべき人たちについて異なる考えを持つ人もいる。衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZO(ゾゾ)の前沢友作社長は米宇宙企業スペースXのロケットで「宇宙旅行」をする際にアーティストを連れて行きたいとの考えを表明している。
前沢社長はCNNの単独インタビューに応じ、アーティストを連れて行こうと思った理由として、「自分がやりたいこととして、地球上のみなさんに地球がいかにきれいかというのをいろんなアーティストの言葉で伝えてほしかった」と語った。
前沢氏は2018年9月、スペースXが2023年に計画している月周回旅行を予約して世界の注目を集めた。
アートコレクターや実業家としての顔を持つ前沢氏だが、月周回旅行の予約は突飛な考えのようにもみえる。しかし、前沢氏によれば、1980年代の小学生時代にハレー彗星(すいせい)が来たときから宇宙旅行に夢中になった。
実際に宇宙に行けると考えたことはなかったが、スペースXが人を月に送ろうとしているという話を聞いたとき、すぐに連絡を取ったという。
スペースXによる宇宙旅行は早ければ2023年にも実現する。60年にわたる周回軌道への旅は一部の例外を除いて高度に訓練された宇宙飛行士が担ってきた。しかし、前沢氏は6人から8人のアーティストと一緒に行きたいと考えている。そうした人たちなら新しい方法で彼らの経験を多くの人々に伝えることができるかもしれないからだ。
前沢氏は、宇宙の動画や美しい地球の写真をみなが目にしていても、ある意味で、宇宙にいった人の声を実際に聞いた人はいないのではないかと指摘する。それは、これまで宇宙に行ったのが全員宇宙飛行士だったためだ。
前沢氏は当初、画家や音楽家、写真家など「伝統的な」アーティストを連れて行こうと考えていた。しかし、そのアイデアも進化したという。
前沢氏によれば、地球上の全員が実際はアーティストなのかもしれないという考えに至った。そのため、事業者やエンジニア、アスリートも選択肢となるかもしれないという。
自身の考えについて、一部の人からは馬鹿げているとか実現できないとみられていることに、前沢氏も気づいている。それでも、全員が理解し正しいと考えることをしても、そこから革新的な何かは生まれないのではないかと反論した。