ブッダの教えを説く宇宙人と交流、山頂に集まるUFO信者 タイ
タイ・ナコンサワン県(CNN) 宇宙人が巨大な仏像の上空を飛び交い、テレパシーで人と交信し、サトウキビ畑を歩き回り、ワニがすむ湖を発着点として使っている――。そうした説を信じてUFOを探そうとする人たちが、タイのナコンサワン県に集まっている。
信者たちは、宇宙船に乗ってやって来た宇宙人からのメッセージには、昔ながらの仏教の教えが多数含まれると主張する。
「天国の都市」を意味するナコンサワンまでは、バンコクから車や列車で約3時間。UFO騒ぎがなければ小さな田舎町だが、信者によれば、ナコンサワン郊外にあるカオカラの丘で瞑想(めいそう)すると、自分が普段話している言葉で宇宙人が頭の中に話しかけてくる声が聞こえるという。
ただし必ずUFOや宇宙人に出会えるという保証はない。
報道によると、タイ政府はUFO目当てにカオカラの丘を目指す人が増えたことで、保護林が荒らされることに警戒を強めている。
同地では丘の上に登って巨大な仏像を眺め、参拝の場とされている「ブッダの足跡」を見ることができる。しかしUFO探しの人たちがテントを張っていた場所も含め、指定区域内での居住や宿泊は法律で禁止されている。
8月には森林省の職員など約40人が、カオカラの山頂にいたタイ人のグループを解散させ、裁判所に対して同地での集会禁止を言い渡すよう申し立てた。
9月20日には警官や森林保護当局などの約30人が、宇宙人説を唱える中心人物のワッサナさんと、UFOファン60人あまりを解散させた。
宇宙人についての活動を行っているワッサナさん(右端)ら/Richard S. Ehrlich
ワッサナさんがCNNに語ったところによれば、一行は宇宙人との「心の融合」を目指し、日没後に丘の上で瞑想する様子を動画で撮影する予定だった。
しかし逮捕は望まなかったことから、一行は丘のふもとの私有地で数時間瞑想して立ち去ったという。
同地にUFOファンが集まるようになったきっかけは、1997年にワッサナさんの父親で元軍人のチェルドさんが自宅で瞑想していたところ、エイリアンからだというメッセージを受け取ったことだった。