軽度認知障害の患者、生活習慣の変化で認知機能改善か 米研究
(CNN) アルツハイマー病のリスクがあると診断された人が医師のアドバイスに従って生活習慣を変えた結果、認知機能の低下が止まっただけでなく、1年半の間に記憶力や思考力が向上したという研究結果が、30日の米アルツハイマー病協会の学会誌に発表された。
論文を発表した研究者は、「個人に合わせた臨床管理が認知機能を改善させ、アルツハイマー病のリスクや心血管系疾患のリスクを低下させる可能性があることが、実際の臨床の場で初めて示された」と説明している。
脳の健康を専門とする別の研究者も「我々は医薬品の試験待ちに多大な時間を費やしているが、現実には生活習慣に関して、脳の健康を保つためにできることがたくさんある」と指摘した。
ニューヨーク・プレスビテリアン病院・ワイルコーネル医療センターのアルツハイマー予防クリニックの創設者、リチャード・アイザクソン医師は2013年以来、同クリニックでさまざまな身体検査や知能検査を実施し、生活習慣の変化が認知機能に与える影響を調べる目的で、臨床実験の参加者を募った。
実験には家族にアルツハイマーの病歴がある25~86歳の154人が参加した。ほとんどは記憶障害の症状は出ていないものの、認知力の検査で不安な兆候が表れていて、35人は軽度認知障害(MCI)と診断されていた。
参加者はそれぞれの検査結果をもとに、個人に合わせた生活習慣変更プランを処方された。生活習慣の変更は、証拠に基づく約50項目のうち、平均で21項目の実践を指示された。