第2次大戦で沈没の米潜水艦、75年ぶりに発見 沖縄沖の海底
(CNN) 75年前に乗組員80人を乗せて消息を絶った米海軍の潜水艦が、沖縄南西沖の海底で見つかっていたことがこのほど明らかになった。第2次世界大戦中に沈没した潜水艦の調査を行う団体が発表した。
海底探索の専門家、ティム・テイラー氏が率いる「ロスト52プロジェクト」は10日、米海軍所属の潜水艦「USSグレイバック」を沖縄沖の水深435メートルの海底で6月5日に発見したことを明らかにした。
グレイバックの沈没した位置をめぐっては、米海軍が日本側の史料を読み違えていたこともあり、これまで正確な割り出しに至っていなかった。テイラー氏はCNNに対し、こうした情報と新たに発見・翻訳した旧日本軍の記録に基づき、今回沖縄の南西沖の海底を調査したと述べた。
自動運転や遠隔操作が可能な海底探査機に加え、最新の画像テクノロジーも駆使した結果、チームは当初沈没したと思われていた海域から約160キロ離れた位置でグレイバックを発見した。米海軍も発見を公式に確認したとしている。
グレイバックは1944年1月28日、ハワイの真珠湾から東シナ海に向かって出航した。約1カ月後の2月19日、グレイバックは日本の輸送船2隻を沈めたと報告。しかしこれによって魚雷の残りが2発のみとなったため、本国に帰還するよう命令が下った。
3月7日にミッドウェー島に到着する予定だったにもかかわらず、3週間が過ぎてもグレイバックは現れなかった。その後、同月30日に同艦が消息を絶ったとの報告がなされた。
乗組員の遺族の1人はCNNへの声明で、「今回の発見により、グレイバックの沈没と所在に関する疑問は終わりを迎える」「これで傷はいやされるだろう。遺族たちが顔をそろえ、それぞれの物語を語り合うことができる」とつづった。