隕石の中から50億年前の物質、地球上で見つかった固体で最古
(CNN) 50年前にオーストラリアに落下した隕石(いんせき)を調べていた米国の研究チームが、隕石の中から50億年~70億年前の宇宙で形成された物質を発見したと発表した。地球上で見つかった固体の中では最古の物質になるとしている。
太陽が誕生したのは46億年前とされ、今回見つかった物質は太陽や太陽系よりも古くから存在していたと推定される。こうした物質はプレソーラー粒子と呼ばれる。
隕石はスターダストなどの物質を閉じ込めるタイムカプセルの役割を果たすことがある。地球に落下した隕石のうち、プレソーラー粒子が含まれるのはわずか5%にとどまる。
この研究結果は米シカゴのフィールド博物館が、13日の米科学アカデミー紀要に発表した。
同博物館学芸員のフィリッピ・ヘック氏は今回見つかった物質について、「銀河系の星々がどのように形成されたのかを物語る」と解説する。
プレソーラー粒子の拡大像。大きさは約8マイクロメートルだった/Courtesy Janaína N. Ávila
隕石は1969年に採集されたもので、研究チームはこの隕石からプレソーラー粒子を分離することに成功した。粒子の大きさはおよそ8マイクロメートルと極小で、年代は46億年~49億年前のものが多数を占め、一部は55億年以上前のものだった。
「我々の仮説では、こうした46億年~49億年前のプレソーラー粒子の大部分は、恒星の誕生が盛んだった時期に形成された。太陽系の創生前に、普通よりも多くの恒星が誕生した時代があった」(ヘック氏)
専門家の間では、銀河系の恒星は一定の間隔で形成されたという説と、形成が多い時期と少ない時期があったという説がある。しかしヘック氏は、「隕石からの試料によって、私たちの銀河系で70億年前に恒星が盛んに形成された時期があったことを直接的に裏付ける証拠を手にした」としている。