ネアンデルタール人のDNA、アフリカの現生人類からも検出 新研究

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アフリカ人のDNAにもネアンデルタール人の痕跡が残っているとする研究論文が発表された/PIERRE ANDRIEU/AFP/AFP/Getty Images

アフリカ人のDNAにもネアンデルタール人の痕跡が残っているとする研究論文が発表された/PIERRE ANDRIEU/AFP/AFP/Getty Images

(CNN) 現生人類の遺伝子情報について、アフリカ人のDNAにもネアンデルタール人の痕跡が残っているとする研究論文が、30日刊行の学術誌に掲載された。これで地球上のすべての地域の現生人類からネアンデルタール人のDNAが見つかったことになる。

人類の祖先がネアンデルタール人との間に子どもをもうけていたという証拠は、2010年に初めて提示された。石器時代の欧州に4万年前ごろまで住んでいた人類の骨の解析から明らかになった。その後、欧州、アジア、米州に住む現生人類の遺伝子の2%はネアンデルタール人から受け継いだものであることが分かったが、アフリカについては同様の証拠が見つかっていなかった。

今回、米プリンストン大学の研究者らは新たな計算手法に基づき、アフリカの現生人類もネアンデルタール人のDNAを保有しているとの結論を導き出した。この新発見により、アフリカを起源とする現生人類が世界の他地域へ一方的に伝播(でんぱ)していったとする従来の学説には疑問符が付く可能性が出てきたという。

「出アフリカ」と呼ばれるこの移動は6~8万年前に起きたとされるが、研究を主導したプリンストン大学のジョシュア・エイキー教授は、20万年近く前にアフリカを離れた現生人類が欧州でネアンデルタール人と交わった可能性があると指摘。欧州で生まれたこのグループがアフリカに再移住したことで、ネアンデルタール人の痕跡がアフリカ人にもたらされたとの見解を示す。

研究チームはまた、大陸間でネアンデルタール人の痕跡にばらつきがあるとする説も間違いだとした。従来の推計では、東アジア人にみられるネアンデルタール人の痕跡は欧州人より20%近く多いとされていたが、実際のところ異なる大陸であっても、そこに住む現生人類にみられるネアンデルタール人の痕跡は「お互い驚くほど似通っている」という。

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