探査機史上最も遠い天体、観測データを公開 太陽系の起源に迫る

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天体「アロコス」の詳しい観測データが発表された/NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute/Roman Tkachenko

天体「アロコス」の詳しい観測データが発表された/NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute/Roman Tkachenko

(CNN) 人類が宇宙探査機で到達した中で最も遠くにある天体について、詳しい観測データが13日に開かれた米科学振興協会の年次会合で明らかにされた。データの詳細な分析を通して太陽系の起源に関する知見が深まると研究者らは期待を寄せている。

この天体は地球から約64億キロ離れた冥王星以遠のカイパーベルト天体内に位置する。昨年1月、米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ニューホライズンズ」が天体へのフライバイ(接近通過)に成功した。

当初は「ウルティマトゥーレ」と呼ばれたこの天体だが、昨年11月に「アロコス」と改名されていた。NASAによれば「アロコス」という語は、ネイティブアメリカンの複数の部族の言葉で「空」を意味する。

別々に形成された2つの天体が1つに合わさった形状のアロコスは、惑星の形成過程でできる「微惑星」と呼ばれる小天体に属する。探査機から送られた画像はそれぞれの天体がパンケーキのように平べったいことを示しているが、見方によってはピーナッツや雪だるまにも似ている。大きさは米国のシアトルの面積と同程度で、数十億年を経てもその姿はほとんど変わっていないとみられる。

研究者らによると、アロコスの表面は凍結したメタノールと特定できない複雑な有機分子に覆われている。赤茶けた色をしているのは、これらの有機分子が原因である公算が大きい。他の天体が衝突した跡とみられるクレーターも数多く見つかっており、このうち最大のものは直径が約6.9キロある。

ニューホライズンズの調査員を務めるウィリアム・マッキノン氏はアロコスについて、上記の2つの天体が「激しく衝突して現在の形状になったというよりは、むしろ複雑なダンスを踊るように互いの周りをゆっくりと回りながら一体化していったようだ」と指摘する。今回入手できたデータの分析により、そうした天体の成り立ちを想定することも可能になったという。

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