恐竜に流れる血は温かかった?、爬虫類説に異論 米研究
(CNN) 映画「ジュラシック・パーク」に登場する爬虫類(はちゅうるい)の姿をした恐ろしい恐竜のイメージは、実は不正確だったのかもしれない。米エール大学の研究チームが、恐竜には温かい血が流れていた可能性があるという研究結果をこのほど学会誌に発表した。
これまでの研究から、恐竜の多くは鳥類のような羽毛に覆われ、明るい色をしていて、ハトのような声で鳴いていた可能性があることが分かっている。
今回の研究でエール大学の研究チームは卵の殻の化石を調査した。その結果、主な恐竜の仲間は全て、体温が生息環境よりも高かったことが判明。「進化論の観点からみると恐竜は、定温動物の鳥類と、変温動物の爬虫類の間に位置する」と研究者は解説する。
研究チームは小型の肉食恐竜トロオドン(ティラノサウルスの仲間)や、アヒルのようなくちばしを持つ草食恐竜マイアサウラなどの卵の殻の化石について、酸素と炭素の原子を調べる方法で母恐竜の体内温度を算出した。
同時に、無脊椎(せきつい)動物の殻の化石を同じ方法で分析して卵が生まれた時の環境温度を推定し、恐竜の体温と比較した。
その結果、恐竜の体温は周辺の環境よりも高かったことが分かった。これは、環境温度に体温が左右される爬虫類と違って、恐竜が体内で熱を発生させていたことをうかがわせる。
体温は恐竜の種類によって違いがあり、トロオドンの体温は環境より最大で10度高く、マイアサウラは15度高かった。
研究者はこれについて、「恐竜が代謝によって体温を環境温度より引き上げられる能力は、初期の進化の痕跡だった」と解説している。