マンモス60頭の骨格で構成、謎の建造物を発掘 ロシア
(CNN) 今からおよそ2万5000年前の氷河期に、マンモス60頭あまりの骨格を集めて作られた円形の構造物が、ロシアで発掘された。どのような目的で作られたのかは誰にも分っていない。
ロシアではこれまでにも同じような「マンモスハウス」が見つかっているが、今回見つかった構造物は年代が最も古く、大きさも全長およそ12メートルと最大だった。
現場はモスクワの南約500キロの地点。同地では1960~70年代にかけて同じような建造物が発見され、「コステンキ11」と命名されて、考古学博物館も開設されている。
研究チームは今回の構造物を2014年に発見し、15年から3年がかりで発掘作業を実施。発見内容をこのほど学会誌に発表した。
発掘現場の空撮写真。大きさは縦横9メートルほどだ/Alex Pryor
研究チームはこれまで、マンモスの骨格の構造物は旧石器時代に冬の厳しい寒さをしのぐための住居として建造されたと推定していた。氷河期時代の冬は最低気温が氷点下20度に達することもあった。
しかし、これだけの骨格を集めて建造するには相当の時間がかかる。狩猟採集民が1カ所に長期間とどまらなかったことを考えると、これは異例だった。
建造に使われた大量の骨/Alex Pryor
骨格は円形に配置され、出入り口と思われる個所はなかった。内部では木材が燃やされた痕跡が初めて見つかったものの、長期間居住していた形跡はなかった。
このため研究チームは、寒さをしのぐことが目的ではなかったと判断し、用途については「明らかに何か意味があった。たとえ何らかの実用目的があったとしても、儀式的な要素があった可能性が大きい」としている。