犬が新型コロナ陽性、米国初の事例か 飼い主の家族感染
(CNN) 米ノースカロライナ州で新型コロナウイルスに感染した家族の飼い犬が検査で陽性反応を示した。米国内で犬が新型ウイルス陽性となった例は初めてとみられる。
飼い主の救急医サム・マクリーンさんと妻ヘザーさん、息子のベンさんは先月、新型ウイルスに感染。4人家族のうち娘1人には全く症状がみられなかった。
一家は米デューク大学のチームによる新型ウイルスの研究に参加し、毎週1回鼻腔(びくう)の検体と血液の採取に応じていた。ペットのパグ犬「ウィンストン」もこのチームの検査で陽性の判定が出た。
チームを率いるクリス・ウッズ氏によると、家庭内で感染が広がる様子を把握するため、少数ながらペットの検体も採取している。ただしペットに対して、世界的に需要が高まっている検査キットは使っていないという。
ウッズ氏によれば、これまでに調べたペットで陽性反応を示したのはウィンストンだけ。検出されたウイルスはごく少量で、ほかの動物や飼い主の人間に感染を広げる可能性は低いとみられた。
ベンさんの話によると、家族の症状がピークに達していた頃、ウィンストンも1~2日の間、軽いせきをしていた。また1日だけ、朝食に与えたえさを食べなかったが、急を要するような異変はみられなかったという。
ウッズ氏によれば、ウィンストンの症状が新型ウイルスによるものだったかどうかは分からない。一家はもう1匹のパグと猫も飼っているが、陽性になったのは人懐こいウィンストンだけだった。
動物の陽性反応としてはこれまでにニューヨークで猫2匹と動物園のライオンやトラ、香港で犬2匹の例が報告された。専門家らは、今のところ動物を介した感染拡大の形跡はないとしている。