砂浜でクズリ目撃、最初は当局者に信じてもらえず 米ワシントン州
(CNN) 米ワシントン州ロングビーチ半島でこのほど、砂浜を訪れた女性がイタチ科の動物クズリを目撃する出来事があった。当初、女性は野生生物当局者に目撃情報を信じてもらえなかったものの、写真を見せた結果、クズリだと確認された。
ワシントン州魚類野生生物局(WDFW)によると、クズリは人里離れた山間部に住む動物で、目撃されることはまれ。ビーチでの目撃情報となるとさらに珍しいという。
ロングビーチ半島の砂浜で目撃されたクズリ=23日/Courtesy Jennifer Henry
女性が撮影した今月23日の写真には、特徴的な模様を持つ毛皮獣が、海岸に打ち上げられた海洋生物の死骸を食べる様子が写っている。
WDFWの生物学者、ジェフ・ルイス氏はCNNの取材に、この動物がクズリであることを確認したと明らかにした。クズリの生息数は州全体でも20匹ほどにとどまるといい、通常は砂浜ではなく州北部の山岳地帯を行動範囲としている。
クズリはイタチ科最大の陸上動物で、小型のクマに似た体に毛深い尻尾が生えている。体格はずんぐりしており、小さな丸い目に加え、雪の中の移動に適した大きな足を持つ。
非営利団体(NPO)の生物多様性センターによると、米本土に残る個体はわずか300匹とみられ、わな猟や生息地の消滅で個体数が激減しているという。
ルイス氏によれば、今月20日にはロングビーチ半島東郊の町ナセルでも、道路を歩くクズリの姿が目撃されていた。目撃者は写真を2枚撮影しており、確認のためルイス氏のもとに送ってきた。
目撃された道路を歩くクズリの姿=20日/Courtesy Jacob Eaton
ルイス氏は「いずれも珍しい目撃例であることを踏まえると、同一の個体である可能性が高いように思われる」と話している。