土星の衛星、遠ざかる速度は従来予想の100倍
(CNN) 土星の最大の衛星であるタイタンが土星から遠ざかる速度は従来の予測よりも100倍速いことがわかった。研究結果がネイチャー・アストロノミーに掲載された。
衛星が惑星から遠ざかるというのはタイタンに限った話ではない。例えば月も地球から離れていっており、米航空宇宙局(NASA)によれば、月は毎年約1.5インチ(約3.8センチ)地球から遠ざかっている。
これは、惑星の一時的なふくらみを生み出す、惑星を引っ張る衛星の重力により引き起こされる。このエネルギーが衛星を遠ざけることになる。
NASAが行った土星探査のデータなどによれば、タイタンの移動率は毎年約4インチ(約10センチ)に相当する。
土星は太陽系で2番目に大きな惑星で、46億年前の太陽系が生まれた時期に形成された可能性が高い。しかし、研究者は土星の輪や多くの衛星が誕生した時期については、それほど確信が持てていない。
タイタンは土星から約122万キロ離れた位置で回っている。もし、毎年高い移動率で離れていっているのであれば、最初の数十億年は土星により近い位置にあった可能性が高い。
研究者によれば、このことは土星系の年齢やどのようにして衛星が形成されたのかといった疑問について新たに重要な知見をもたらしてくれたという。