中国版GPS「北斗」が完成、最後の衛星を打ち上げ

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中国が独自の衛星測位システムに必要な最後の衛星を打ち上げた/STR/AFP/AFP via Getty Images

中国が独自の衛星測位システムに必要な最後の衛星を打ち上げた/STR/AFP/AFP via Getty Images

香港(CNN Business) 中国は23日、米国が運用する全地球測位システム(GPS)の中国版である「北斗」の完成に必要な最後の衛星を打ち上げた。これにより、中国は独自の衛星測位システム(GNSS)を保有する主要国の地位に立った。

現在の主要なGNSSは、米国のGPSをはじめ、ロシアの「グロナス」、欧州連合(EU)の「ガリレオ」で、北斗が4つ目となる。

多くの人々がGPSになじんでおり、個人の携帯端末でのナビゲーションや飛行機や貨物船の追跡などさまざまに利用されている。

北斗はGPSの替わりとなるシステム。中国共産党機関紙の人民日報は北斗について、全世界と全人類のものだと伝えた。

専門家によれば、中国は北斗がGPSの対抗馬となることを望んでいるものの、市場シェアではGPSが圧倒的な存在だという。

中国が北斗を推進する背景には、特に軍事分野でGPSに対する依存を減らしたいとの考えがあるとみられている。

ニューサウスウェールズ大学オーストラリア宇宙工学研究センター(ACSER)のアンドルー・デンプスタ―所長は、独自のGNSSを保有しても、名誉以上の大きな優位性はほとんどないとの見方を示す。

デンプスター氏は「正直に言って、北斗に独特なところは何もない」と述べた。

民間の観点からすると、特定のGNSSが予期せず使えなくなった場合に代替手段があることは役立つといえそうだ。

さらにデンプスター氏によれば、システムを運用している国は軍事面で優位に立てるという。敵国が自国のGNSSを利用しているなら、その信号を遮断することが可能だからだ。デンプスター氏は、中国人民軍や中国政府はこれからは独自のGNSSを頼ることができるようになると指摘。米国との間でさまざまな衝突が起きており、中国政府にとってはそのことが重要なのではないかと述べた。

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