アンデス山脈に新種20種、絶滅と思われた種も発見 ボリビア
(CNN) 南米ボリビアのアンデス山脈を探検した環境保護団体の調査団が、ヘビやカエルなどの新種20種を発見し、何十年も目撃情報がなく絶滅したと思われていた動物や植物も見つかったと発表した。
調査を行った首都ラパス近郊のゾンゴ渓谷は、切り立った崖や険しい山に囲まれ、多様な動植物の生息地が残る場所として知られる。
非営利環境保護団体コンサベーション・インターナショナルの探検隊は2017年3月、この地で14日間にわたる調査を行い、このほど成果を発表した。
探検隊を率いたトロンド・ラーセン氏は「これほど多くの新種を発見し、絶滅したと思われていた種を再発見するとは思わなかった」と語る。
今回発見された新種のうち、強い毒をもつヘビの新種「マウンテン・フェルドランス」は、大きな牙をもち、頭部の熱感知穴で獲物を検知する。探検隊に発見された後は、アンデス山脈の別の場所でも見つかるようになったという。
「マウンテン・フェルドランス」と名付けられた毒蛇/Courtesy of Conservation International / Trond Larsen
赤と黄色、緑の鮮やかな色にちなんで「ボリビアン・フラッグ・スネーク」と命名されたヘビは、標高が最も高い場所で密生した下草の中に生息していた。
「ボリビアン・フラッグ・スネーク」と命名されたヘビ/Courtesy of Conservation International / Trond Larsen
体長が1センチしかないカエルは、世界最小級の両生類として、ガリバー旅行記に出てくる小人にちなみ「リリパット・フロッグ」と命名された。
体長が1センチしかないカエルも発見/Courtesy of Conservation International / Trond Larsen
ゾンゴ渓谷にはさまざまな大きさや形状、色のランの花が咲き乱れている。昆虫を呼び寄せて花粉を運ばせるため、一部が昆虫に似た形状をもつ新種のランも見つかった。
新種のヤチランは一部が昆虫に似た形状に/Courtesy of Conservation International / Ivan Jimenez
絶滅したと思われていた種も4種が再発見された。このうち黒い体に赤い目をもつ姿から「悪魔の目のカエル」と呼ばれる種は、生息地に水力発電ダムが建設されて以来、20年ぶりに発見された。
「悪魔の目のカエル」と呼ばれる種は20年ぶりに発見/Courtesy of Conservation International / Trond Larsen
98年ぶりに見つかったチョウの一種「サタ・バタフライ」は、腐った果実を入れたわなを使って捕獲された。
科学者にとっては新種の動植物も、地元の人々にはなじみのあるものとなっている。新種の竹は地元で建設資材や管楽器として普通に使われている。