逆さづりでのサイ空輸、保護活動に極めて重要な理由とは
「空飛ぶサイ」は今後増えるのか?
現在、サイの大半は陸路で運ばれている。空輸の場合は20~30分間で48キロほどの距離を移動することが多いと、ラドクリフ氏は語る。
だが、ナミビア北部クネネ州のような険しい僻地(へきち)に運ばれるサイが増えるにつれ、将来的にはサイの空輸がもっと普通になる公算が大きい。
「ナミビアには先見の明があり、このタイプの輸送方法が将来的にますます増えること、サイたちの安全への理解を深める必要があることを認識していた」(ラドクリフ氏)
ラドクリフ氏らのチームは今後、より長い時間の空輸について調査を行い、脳活動や血流への影響を調べたい考えだ。これに加え、「短期的にサイに問題が出ないことは分かっているが、逆さづりで移動した後の様子を観察して、長期的にどういう影響があるかを調べていきたい」(同氏)
自身の研究が絶滅危惧種であるサイの保護強化につながってほしいと、ラドクリフ氏。「保護活動家にできるのは、サイが回復できるように最高の安全と管理を提供することだ」「世界市民として私たちにはこうした動物を守る義務がある」と力を込めた。