怒ったタコと対峙した豪男性、異例の攻撃受ける
(CNN) 生物学者から世界有数の知的な無脊椎(せきつい)動物とみなされているタコ。普段はいたずら好きで好奇心旺盛だ。
しかし、オーストラリアの男性地質学者はこのほど、そんなタコのもう一つの側面を目撃した。同国西部にある巣を守るため、かなり攻撃的な行動に出たのだ。
3月18日、ランス・カールソンさん(34)がジオグラフ湾の浜辺を歩きながら2歳の娘と一緒に泳げる場所を探していたところ、海中からアカエイと思われる動物が飛び出してきた。
実はタコだと気付き撮影を開始すると、怒ったタコはカールソンさんに突進。この様子を収めた動画はインスタグラム上で6万回も視聴されている。
カールソンさんは2日、CNNの取材に「あの映像を撮ったのは私だ。タコが飛びかかってきたので、すごく驚いた。続けてタコはもっと深い場所に泳ぎ去っていった」と振り返った。
その後カールソンさんが近くでカニの殻を調べていたところ、今度は左腕にムチで殴られたような感覚が走り、さらに首と背中に「第2撃」を受けた。
攻撃してきたのは恐らくさっきと同じタコだった。気付かないうちにタコの巣に踏み込んでしまったのだろうと、カールソンさんは推測する。
カールソンさんが浜に戻ろうともがく中、タコの墨とみられる液体でゴーグルは曇り、周囲の水も真っ黒に。「混乱した。恐怖より動揺の方が大きかった」
その1分後、カールソンさんの首と背中にはタコの触手がくっきり浮かび上がっていた。
ライフセーバーのボランティアを務めたこともあるカールソンさんは、ホテルの部屋に急いで戻り、傷につける酸性の物質を探した。家族も手伝ったものの、唯一見つかったのはコカ・コーラだけ。妻がこれを背中にかけると、痛みは消えていった。
クイーンズランド大学生物学部のブライアン・フライ准教授は、このタコをマダコと特定。CNNの2日の取材に「タコの常としてマダコは毒を持つが、大半の種と同じく人間には無害だ。ただし、貝やロブスターのような無脊椎動物に対しては毒が強力に作用する」と指摘した。