表面からの感染リスク低い、執拗な消毒はむしろ有害 米CDC
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は19日、物の表面を介して新型コロナウイルスに感染するリスクは低いとの見解を発表した。より重要なのは空気感染に対する対策で、物の表面を執拗(しつよう)に消毒することは弊害の方が大きいかもしれないと指摘している。
CDCの電話会見で水系感染症予防支部のビンセント・ヒル所長は、「表面感染のリスクは低く、主な感染経路である直接接触した飛沫(ひまつ)やエアロゾル経由のウイルス感染に対して二次的にとどまる」とした。
表面に触れることで感染するリスクは小さいものの、屋外に比べると屋内の方がリスクは大きいとヒル氏は説明。屋外では日光などの要因によってウイルスが破壊されるとした。
ウイルスは多孔質の表面ではすぐに死滅する一方、屋内の硬い物の表面ではそれよりも長く持続する。
研究では、感染後最初の24時間の方が表面感染が起こりやすいことも示されており、感染者がいる家庭では物の表面の洗浄や消毒を行うと感染率が低くなることが分かった。
従って、表面の衛生を保つことは時間の無駄ではないものの、リスクを減らす唯一の方法ではなく、最も大切な方法でもないとCDCは指摘。この感染リスクを念頭に、表面の洗浄や消毒に関するガイドラインを改訂した。
「ほとんどの状況では、消毒ではなく石鹸(せっけん)や洗剤を使って表面をきれいにするだけで、ただでさえ低い表面を通じたウイルス感染のリスクは十分低減できる」とヒル氏は述べ、「病人や新型コロナウイルス陽性者が過去24時間のうちに家の中にいた場合を除き、表面の消毒は一般的には必要ない」と指摘。洗浄はドアノブや照明スイッチといった接触の多い場所を重点的に行う必要があるとした。