豪駆逐艦にナガスクジラ2頭の死骸が付着 米入港後に外れて気づく
(CNN) オーストラリア海軍は13日までに、同国の駆逐艦が先週末に米サンディエゴに入港した後、船体に付着していた絶滅危惧種のクジラ2頭の死骸が外れ、発見に至る出来事があったと明らかにした。
クジラ2頭は、サンディエゴ海軍基地に停泊した豪海軍艦「HMASシドニー」の近くで見つかった。同基地は米海軍太平洋艦隊の主要な拠点港となっている。
オーストラリア海軍は声明で、「海軍は海洋哺乳類の安全を真剣に受け止めており、今回の事案が起きたことに心を痛めている」と述べた。
オーストラリアと米国の両海軍が米海洋大気局(NOAA)の漁業部門とともに調査に当たっているという。
CNN提携局10ニュースによると、死んだのはナガスクジラで、シロナガスクジラに次ぎ世界で2番目に大きいクジラの種。死んだ2頭のうち1頭は体長約20メートル、もう1頭は体長約7.6メートルだったという。
NOAA漁業部門の資料によると、ナガスクジラは「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律(ESA)」で定める絶滅危惧種に分類され、米西岸沖には約3200頭生息する。かつては乱獲が問題だったが、現在では船舶との衝突が一番の脅威になっているという。
オーストラリア海軍によると、HMASシドニーは全長146.7メートルの誘導ミサイル駆逐艦で、排水量は7000トン。船体の喫水は7.2メートル。
同艦はカリフォルニア州沖の演習で戦闘システムの試験を行った後、7日にサンディエゴに入港したという。
元米海軍大佐のカール・シュスター氏によると、海軍艦とクジラが衝突するのは珍しい。「クジラは数キロ先から艦船の音を聞くことができる。中周波ソナーや高出力低周波ソナーを使う艦船に遭遇すると聴力に不快感を覚えるため、避けるのが普通だ」という。
低周波ソナーは浅瀬にいるクジラを混乱させることがあるとシュスター氏は指摘するが、今回のオーストラリア艦に搭載されているのは高周波ソナーだった。