まるで「泳ぐ頭」 5億年前の巨大海洋生物、カナダで化石発見
論文筆者のジャンバーナード・カーロン氏は、「この生物は大きさだけでもとてつもない。カンブリア紀の生物の中ではこれまで見つかった中で最大級だ」と解説する。
ティタノコリスは異様な姿をしていた。多角形の目をもち、パイナップルを輪切りにしたような口には歯が並び、頭の下にあるとがった爪で獲物をとらえる。体のフラップを使って泳ぎ、頭部はカニやカメのような甲羅で守られていた。
「ティタノコリスはフルディアと呼ばれるラディオドンタの分類群の1種で、驚くほど長い頭が、様々な形状をした3部分からなる甲羅で覆われているのが特徴だ。体に比べて頭が異様に長いので、まるで頭が泳いでいるように見える」。論文共著者のジョー・モイシク氏はそう解説する。
ティタノコリスの化石は12月から王立オンタリオ博物館に展示される/Jean-Bernard Caron/© Royal Ontario Museum
ティタノコリスの化石が見つかったクーテネイ国立公園北部のマーブル渓谷からは、5億800万年前にさかのぼるカンブリア紀の生物の化石が多数発見されている。