巨木ジャイアントセコイア、森林火災で30本近く喪失 米加州
(CNN) 米カリフォルニア州のセコイア国有林で今週、森林火災が原因でジャイアントセコイア(セコイアオスギ)に大きな被害が出た。専門家の話では、樹齢が数千年を超えることもある同種の巨木29本が失われた。ただこの数字は、初期段階の評価に基づくものに過ぎないという。
ヨセミテ国立公園で火災対応を任務とする植物学者ギャレット・ディックマン氏によると、評価はまだ始まったばかりだが、すでに重大な懸念が上がっている。「ロング・メドウ・グローブ」と呼ばれる林の中心部は作業チームの火災対策のおかげでうまくしのいだものの、このエリアから離れた場所では火災で焼かれた木が29本に上ったという。
同氏は「うち4本は非常に高温で燃焼したため、倒木してしまった」と説明。1本はひどく焼けてしまったため、地面に木の外形をとどめるのみだったという。
ロング・メドウ・グローブで死んだジャイアントセコイア/Garrett Dickman/National Park Service
同氏はさらに、「林の大部分は生き残るだろう」と指摘しつつ、「だが非常に高温で燃焼した箇所があり、そこの木々はもうだめだろう」と述べた。
同氏は森林の至る所で、さらなる損害が出ているのを確認。現代においては火災に見舞われたことがない「スターベーション・クリーク・グローブ」の林では、わずか「数本の木々が生き残った」のを目にしたという。
火災と戦う消防士たち/Noah Berger/AP
同州のシエラネバダ山脈にのみ自生するジャイアントセコイアは樹齢が3000年超、樹高は200フィート(約60メートル)超にまで達する。だが2020年に発生した森林火災のため、ジャイアントセコイア全体の10%~14%が失われたという。
今年の森林火災は、収束することのない干ばつの最中、現在もさらに高温となって延焼を続けており、さらなる損害をもたらすことが懸念されている。